最近、「アウフグース」が流行っていますよね!
皆さん、アウフグースと聞いて思い浮かべるのは、熱波師のダイナミックなタオルさばきと、熱波を浴びながら大量に汗をかくイメージではないでしょうか?もちろん、そのスタイルのアウフグースも素晴らしく、楽しさ満点です!
ですが、サウナの暑さが少し苦手な方や、もっとリラックスを重視したいと思う方もいらっしゃるのでは?
そんな方にぜひ知っていただきたいのが、アウフグースの一つであるハーバルリチュアルです。
今回は、2024年にチェコで開催されたハーバルリチュアルの世界大会に、日本代表として参加されたユーシましも様に、ハーバルリチュアルの魅力や世界大会の様子についてじっくりお話を伺いました!
ユーシましもさんの経歴
美楽温泉スパハーブスでの経験を経て、現在は湯舞音袖ヶ浦店(公式HP)で副店長を務めながら、熱波師としても活躍中。
主な実績
Aufguss Championship Japan 2023:第3位 🥉
Sauna Herbal Cup Japan 2024:第2位 🥈
ハーバルカップ世界大会出場 2024
その卓越した技術と表現力は国内外で高く評価されており、国内外の大会に出場し世界レベルの舞台で活躍されています。
活動の理念
温浴を通じて、「感動と日々の幸せを届ける」ことを使命に掲げ、サウナの魅力を広めるため、日々情熱を持って活動を続けています。
|ハーバルリチュアルとは?
ハーバルリチュアルは、サウナの中でフレッシュハーブ、ドライハーブ、またそれらを抽出したインフュージョンやお香を使い、香りと蒸気の力でリラックス効果を高める特別なプログラムです。具体的には、サウナストーブにハーブを置いて水をかける(ロウリュ)ことで蒸気を発生させたり、ハーブを煮出したインフュージョンをストーブにかけて香り豊かな蒸気を作り出します。、扇やタオルなどで蒸気をサウナ室内に広げていきます。この香り豊かな蒸気が、心身を癒してくれるのです。
エンターテインメント性が高い「ショーアウフグース」とは異なり、ハーバルリチュアルはハーブの香りや効能に重点を置いています。より深いリラクゼーションや癒しを目的としており、自然の力を活かして心と体を整えます。
さらに、ハーバルリチュアルでは、香りだけでなく、動作や儀式的な演出も重要な役割を果たします。ハーブの蒸気を広げる際のゆったりとした所作や、サウナ内での静寂を活かした空間づくりは、心を落ち着け、精神的な癒しにつながります。
また、場合によっては音楽やお香を組み合わせることで、五感を通じた深いリラクゼーション体験を提供します。
この「儀式」の要素は、ただサウナに入るだけでは得られない特別な体験を生み出します。
アウフグースの他の種類を知りたい方はこちらの記事を確認(LINK)
|サウナハーバルカップ概要
世界大会「サウナハーバルカップ2024」について
日程:2024年11月20日(水)~11月24日(日)
場所:チェコ共和国
大会の目的:世界中のサウナ愛好者やプロが集まり、ハーブを活用したサウナリチュアルの技術や創造性を競います。ハーブの香りや演出を通じて、サウナ文化をさらに広げることが目標です。
世界大会はただの競技イベントではなく、サウナを通じて各国の文化が交じり合う、国際交流の場でもあります。
|どんな競技があるの?
世界大会では、以下の3つの部門で技術が競われます:
プレゼンテーションハーブの使い方や演出のテーマを説明し、その独創性をアピールする部門です。
ハーバルリチュアルサウナ室でハーブを使ったリラクゼーションプログラムを実演。香りや動きの美しさが評価のポイントになります。
ピーリングスチームサウナで行うスキンケア体験を提供する部門。フェイスパックやスクラブなどを駆使して、リラックスと美容を融合させます。
|日本がサウナハーバルカップに参加するまでの道のり
実は、日本がこの世界大会に参加するまでには、様々な道のりがありました。
特に課題だったのは、「ピーリング部門」。この競技では、15人以上収容可能なスチームサウナが必要ですが、日本国内にはその条件を満たす施設がなかったのです。
そこで東京都台東区にあるサウナセンター稲荷町がこの予選を行うために、スチームサウナを新しく設置し、2024年からようやく日本で国内予選が開催できるようになりました。
この準備が整ったことで、ついに日本からも世界大会への道が開けました
|サウナハーバルカップの参加資格
世界大会に参加できるのは、日本予選の上位2名となります。
日本大会(サウナハーバルカップ・ジャパン2024)
日程: 2024年7月3日(水)および7月4日(木)
会場: サウナセンター稲荷町(東京都台東区)
目的: 世界大会への日本代表選出を兼ねた予選会であり、サウナ内でのハーブを活用したリラクゼーション技術の向上と普及を目指しています。
種目
プレゼンテーション
ハーバルリチュアル
ピーリング
|日本代表が語るハーバルリチュラルの魅力と世界大会のエピソード
Q.なぜハーバルリチュアルに興味を持たれのか?
熱波師として活動する中で、国内外の大会に参加をし、様々な参加者、そしてジュリー(審査員)との交流を通して、海外にはハーバルリチュアルの大会があることを知った。調べるうちに自分がサウナに求める”リラックス”の部分と関連をし、ハーバルリチュアルに興味をもち現在に至る。
Q.ハーバルリチュアルの特徴とは?
ハーバルリチュアルでは、フレッシュハーブやドライハーブを使い、自然そのままの香りを楽しむことができます。エッセンシャルオイルとは異なり、ハーブが持つやさしい香りがサウナ室内に広がり、深いリラクゼーションをもたらします。
このハーバルリチュアルは、ただ香りを楽しむだけではなく、儀式的な要素を含むため、普段とは違う神聖な雰囲気を体験できるのが特徴です。静かな動作や演出が組み合わさることで、心を落ち着ける特別なひとときを味わえます。
さらに、熱すぎないため、サウナの高温が苦手な方でも安心して参加できます。心地よい蒸気とハーブの香りに包まれながら、日常から離れた特別な空間で心と体を癒すことができる、誰でも楽しめるリラクゼーションプログラムです。
Q.日本予選・世界大会に向けてどのように準備をしましたか?
「ずっと出場したい」と思っていたので、プログラムの構成は3か月以上前から考え始めました。特にハーバルリチュアルでは、実際のサウナ室でどのような香りが広がるかがとても重要です。そのため、誰もいないサウナ室やハーバルリチュアルのイベント中に、何度も試行錯誤を繰り返しました。
さらに、お客様からのフィードバックを大切にしながら、自分が届けたい香りや演出を細かく調整していきました。理想の香りやプログラムを実現するために、何度も試して修正を重ねたことが、今回の大会への準備で最も大事なステップでした。
Q.世界大会で苦労したことなどはございますか?
一番大変だったのは、日本とのサウナ環境の違いです。
日本のサウナは建物内にあることが多く、外気の影響を受けにくいのですが、チェコでの世界大会ではサウナ室が屋外に設置されています。11月末のチェコは、気温が10度以下という寒さ。そのため、サウナ室の温度が下がりやすく、湿度も低い状況でした。
この環境の違いに対応するために、プログラム中のロウリュの量やタイミング、そして、天井も高いので、空気の循環を細かく調整する必要がありました。状況に応じて工夫を重ね、対応することがとても大変でした。
|お知らせ
日本ではハーバルリチュアルを体験できる施設が少ない中、袖ヶ浦店では定期的にイベントを開催しています!この特別な体験をお近くで楽しめる貴重な機会です。
さらに、2025年春頃には新しい施設「YUBUNE SAUNA PARK 羽生(仮称)」がオープン予定!
海外のアウトドアサウナをイメージし、非日常を感じながらもリラックスできる特別な空間が誕生します。サウナ愛好者にとって新たな楽しみになること間違いなしです!ぜひご期待ください!
|まとめ
熱波師によるセッションは、わずか数十分の体験です。しかし、その背後には、アウフグースマスターたちの入念な準備と磨き上げられた技術があります。この背景を知ることで、セッションの一瞬一瞬がより特別なものとして感じられるでしょう。
次回、熱波師のパフォーマンスを体験する際は、ぜひその情熱とこだわりに思いを馳せてみてください。きっと、より深い感動と楽しさを味わえるはずです。